現場監督の仕事と家が出来るまで

翔平です

 

今日は現場監督の仕事について書きます

よく監督って何やるの?って聞かれます

監督だから偉いんでしょとも言われます(いや偉くないよ)

簡単に言うと、職人さんや物の手配、現場・工程管理です

スポーツの世界でも監督っていますよね

どの選手を出すか、どんな作戦で試合を進めるかってやってますよね

要はそれと一緒です(全然ちげーよとか思われるかな)

監督の仕事と、家が出来るまでの一連の流れを簡単に説明します

あくまで私の場合なので悪しからず(注文住宅の場合)

 

営業、設計、コーディネーター、全ての打ち合わせを経てようやく着工です

ここまでの間にお施主さんの土地を現調し、職人さんの手配や、物の手配を準備します

着工前に地鎮祭を行う場合は地縄と言って、敷地内に建物の形を紐で表します

地鎮祭の際にお施主さんに建物の形をイメージしてもらう為ですね

配置確認も一緒にします

 

地鎮祭を終え着工です

基礎工事が始まりました

基本的にここから職人さんや物の手配は引渡しまでずっと続きます

 

基礎工事では配置が問題無いかチェックします

配置は敷地に対する建物位置です

配置がずれた状態で建物が出来ても、最悪の場合全て壊す可能性もあります

それほど配置は重要です

 

その後、鉄筋を組み基礎を作ります

鉄筋が組み上がったら配筋検査を受けますが、その前に鉄筋が図面の通り配筋されているか、事前にチェックします

配筋検査が無事終わったらコンクリートを打設します

その際もコンクリートの配合等チェックします

 

基本的に監督はチェックするのが仕事ですね

この監督のチェックが甘いと、後に大変な事になります

私も過去にミスはしてます

ただミスをした後の動きが大事です

ミスを隠さずしっかり報告する

そのミスをしっかり是正する

どんな仕事でもそうですが、隠蔽していい事はありません

ましてや家は一生に一度のモノです(お金持ちは一度じゃないのか)

この辺の責任感はしっかり持ってないとダメですね

 

コンクリート打設後にも諸々ありますが、少し省略します

 

基礎工事が終わり上棟です

上棟はメインイベントです

上棟式や棟上げという言葉を聞いた事がある人もいるかと思います

 

この日を無事迎える為に、監督は色々手配します

ここで漏れがあると一大事ですからね(前日には確認であちこちにバンバン電話確認します)

 

上棟の日はお施主さんも良く来られます

この時お施主さんの言葉で多いのが

1日でここまでいくんですねという言葉です

大きさにもよりますが、だいたい1日で上棟します

また良く聞かれるのは何を持って行けば良いですか?です

大工さんにこれからよろしくお願いしますと金銭を包む方、食べ物や飲み物を持って来る方様々です

特に決まりは無いと思います

その方の気持ちなので、何もないのかよ!なんて思った事ありません

むしろ何か用意があった時にわざわざすいません!ってなります

 

翌日から大工さんが一生懸命作ります

金物を付け、壁を張り、サッシを付け、フロアを張るという一連の流れがあります

ここでも監督はチェックです

最近ではiPadで図面を出し、チェックしていきます

iPadって便利ですよね

ちなみに俺は自分のiPadでチェックするようになって、それが同僚の監督に広まり、部長が興味を持ち、監督に支給されました

俺のファインプレーですね(ちなみに俺は支給されてません)

 

ここで配筋検査に続き中間検査があります

主に金物が適正な位置に付いてるか確認されます

 

その後、外では屋根屋さんが屋根を葺き、外壁さんが防水紙と呼ばれる紙を貼っていきます

ここで概ね雨仕舞いが出来ます

 

中では水道屋さんが配管をし、電気屋さんが配線をしていきます

床暖房がある際はここで施工しますね

 

他社は分かりませんが、ウチではここでお施主さんと配線立会いをします

打合せした通りに照明の配線や、スイッチ、コンセントがあるか一緒に確認します

 

この際お施主さんは、中に入ると意外と広いと実感する方がほとんどです

地鎮祭の時の地縄では狭く感じるそうです

いざ建物が出来ると皆さん広く感じるそうで、ここで嬉しそうな表情をするお施主さんがほとんどです

 

配線立会いを終えると断熱工事です

ウレタン、グラスウールという断熱方法がありますが、ウチはウレタン断熱です

モコモコしたやつを外壁面に吹いていきます

これを吹くと配線等の変更が大変になるので、先程説明した配線立会いを事前に行います

 

ここからはひたすら石膏ボードを貼っていきます

壁を貼り、天井の下地を組み、天井のボードを貼るという流れです

建物によっては壁より先に天井先行の場合もあります

またウレタン断熱完了後、約10日間後にユニットバスを設置します(日程はあくまで私のやり方ですので悪しからず)

 

外では防水紙後に外壁の仕上げをします

サイディング、左官仕上げ等がありますね

 

中ではボードが終わると階段を施工します

この辺の順番は大工さんによって違います

 

そして棚を付けたり、建具を吊ったりと大工さんはラストスパートです。

大工工事が終わる事を木完と言ってます

木工事完了の略ですね

 

ここでは図面通り大工さんが仕上げたか最終チェックをします 

ウチでは上司のチェックもここであります

私のチェックが問題無いかのチェックです

また外壁工事が終わったら、そこでも上司チェックです

問題無ければ足場が解体出来ます

 

そしてクロスを貼っていきます

あっその前にキッチン工事も終わらせます

状況によってはクロス工事後の可能性もありますが

クロスが貼り終わるとかなり雰囲気が変わるのと、ここからラストスパートって感じですね

そして器具付けです

トイレ、洗面化粧台、照明、スイッチ、コンセント等一気に付けていきます

一通り取付け終えたらクリーニングです

このクリーニングが終わると、中はほぼ完成してます

このタイミングで完了検査を受けます

ここでも検査員は配置の確認をしますが、先程の通り、ここで配置が違うと最悪ぶっ壊しです

俺は経験ありませんが、きっと泣きたくなるでしょう

何よりお施主さんに報告出来ない

 

検査が無事合格したらここからが大事

 

お施主さんにしっかり引渡し出来るか社内チェックがあります

ここでの監督は社内検査で指摘を受けないように事前にチェックし、準備をします

電気が付くか、水が出るか、建具の動作に異常は無いか等々たくさんチェックします

異常があれば職人さんを手配し是正してもらいます

ただ社内の検査は細かいです

やはり指摘はあります

また職人さんを手配し是正してもらって、ようやく引渡し前のお施主さんチェックです

 

お施主さんにはキズや汚れを見てもらいます

また機器の説明も監督が同時に行います

窓の開け方、機器の取扱説明、注意点等様々です

しかし建物が出来上がった喜びで話半分の人もいます(こればっかりはしょうがない)

中には細かく見る人もいます(指摘されてびっくりする位細かいキズを見つけます)

 

お施主さんからの指摘を直して、だいたい1週間後無事引渡しとなります

 

ここまでだいたい4ヶ月〜5ヶ月間、チェック、手配、管理をします

ここまでスムーズにいくように工程管理するのが重要です

雨が降ったりして作業が出来ないと、その分工程変更もしないといけません

予め予備日を見ておくのも監督の裁量です

 

また担当する案件は1棟ではありません

多い時は10棟以上担当してる事もありました

1棟ごとの工程を頭に入れておかないといけないし、チェックもしないといけない

土日が立会いで潰れる事も多々ありました(ちなみに今月の日曜日全部仕事だ)

また引渡してからアフターで対応する事もあります

 

それでもこの仕事にやり甲斐を感じてました

出来上がった建物を見て喜んでくれるお施主さん

ありがとうと感謝を述べられると嬉しいものです

 

後日アフター等で訪問すると、家具が置いてあり、また違った雰囲気で見れるのも良いものです

 

建売よりも注文住宅の方が管理をしていて楽しいです

お施主さんとのやり取りで、一緒に喜びを分かち合えるからです

綺麗事に聞こえるかもしれませんが、監督をやってて本当に感じます

時には難しいお施主さんもいます

それでも最後にはありがとうと言われれば嬉しいものです(最後まで難しい人もいるけどね)

 

時には大工さんや職人さんに怒られる事もあります

こちらが怒る時もあります

でもそんな人達と一緒に休憩して、他愛もない話をする時間も楽しいひと時です(だいたい会社の文句で盛り上がる)

 

この仕事をもしかしたら変えなきゃいけないかもしれない

違う会社で続けてるかもしれない

どうなるか分かりません

 

ただ今担当している案件はしっかり最後までやり切ろうと思うし、この仕事が好きだなと思います

 

このブログを読んで、家を建ててる方の参考に少しでもなれたら嬉しいです

相談ものりますので是非

 

写真は今日現場でチェックした写真です

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